「その名もザーリーダビットソン」



 

「言っとくけどよ、試しに乗るかって声かけたら、乗ってみてえなあって返事があった。……だからこうなったってわけで、つまりこれはあれだ、いいか、自己責任ってやつなんだからな」

W7の裏ボスとしてやっていたときの名残か、フランキーはやたら長い弁舌を振るってくる。
ひょっとして、言い訳のつもりなんだろうか。
バーカ、誘われた時点で、こうなるだろうことくらい、わかってたんだよ。了承済みなんだよ。

言い訳なんて必要ない。
つーか、今さら下半身丸出しで責任云々とか。どうよそれ。意味がねえって思うぞ俺は。第一 笑えるだけだ。
……なんてな。
ホントは俺だって、このくらいは余裕で言い返したい。まくし立ててやりたい。
でも実際は、一切そんな余裕なんか無くって、代わりに俺の喉から迫り上がってくるのは、ア行で揃った短い叫び、通称喘ぎ声ってやつだけだ。

「あ、あああ、あ……ぅあ……!!!……あ……っ!!」

こほん、声がでるのは仕方ないんだ。
そこはあれだ。想定外ってやつだ。
まさかフランキーのヤツの股間にここまで野太いもんが……(ガタイはいいから期待はしてたんだけどな)……ぶら下がってるなんて、普通思わねえだろう? 
思うか、そうか? そうかもしれないけどさ。
や、いや、聞いてくれ。もちろんアレは前面だし、ひょっとして改造してるかなって期待はあった。
それは認める。
ってか、むしろそっちを考えてたって言うか、同じ野太いにしても、鋼鉄バイブみたいな感じだって思ってたって言うか。
なのに、まさかの生身で。 んでもって、規格外品だったなんて。
びっくりだよなあ、おい。
……え、それでなんでこんなことになってるかって? 話を逸らすな?
あー、ちょっと意味がわかんねえ、すまん。
あれだろ、ノリってやつだろ。

「落ちるぞ、もっとしっかりしがみついとけ」
「うあ、ああ、あああっ!!」
「そら、いい子だからしがみつけ」
「あっ、あっ、あっ」
「叫んでねえで、もっとしっかりしろよ」

なんだよもう、変なとこで年上ぶるなよ、変態の癖に。
俺だってさ、叫び声じゃなくて、ホントはもっと言いたいことがある。

なあにがしっかりだ、俺の身体がずり落ちないように串刺しとくのは、お前のアレの役目だろ?
みたいな。
……ちぇっ、細かな振動が心地良すぎて、言えそうもないけどさ。

俺の現在の状況か?
説明するのもアレなんだが、俺はザーリーダビットソンに跨ったフランキーの、そのまた上に跨ってる。
いつも海パンしか下半身に着用してない変態は、なけなしのその一張羅を脱ぎ捨て生ケツでザーリーに跨ってて、俺なんかその上にやっぱり生ケツで乗っかってる。
ちなみに股間と股間は繋がってるぜ。
つまり俺の可愛い生ケツは、フランキーのやつの変態チックにおっ勃ったものと「合体!」状態だ。

なんかこう、思わず開放感っていうか、うっかりやっちまったわけだが。
ところが、こいつがなかなかスゲえんだ。
ザーリーのヤツがビビってんだかサービスなんだか、ガタガタ震えるもんだから、その振動が結合部分にもろに伝わる。
そうすっと、俺のケツの中に詰まったフランキーのアレまでもが、ビクビク動く。

自分たちで腰を動かす必要もない。
ただしがみついてるだけで、いい感じに快感が与えられる。
キツいけど楽ちんだ。
セックスでこんなに楽させてもらえるなんて、なんだかフランキーならではって気がしてしまう。
なんつーか、痒いところに手が届くっていうか、行き届きすぎっていうか。
意味、違うか?

「イきそうなのか」
「ん、んんっ、……んく、うくぅぅっ!!」
「なんだ、イってるとこなのか」
「ま、まだ、まだイくっ……」
「おぅ、頑張れ。俺も一回……っと、すげぇ締まるな、スゲえなお前」

俺の中に収まりきらないほどの量を、ごぷりと吐き出してもちっとも固さの抜けないフランキーのアレは、ひょっとしたら生身に見えて、結局改造してるんだろうか。
相変わらずザーリーの振動を俺のいいところに送り込んで来やがる、気が遠くなりそうだ。
でも、いいんだ、それで。
遠慮なんて必要ないし、妙に優しい人ぶってもらう必要もない。
ましてや、俺の身体を気づかうなんて、間違ってもするんじゃねえぞ。
どんどん俺の中を掻き回して、揺すり上げてくれたらいい。
俺がもう駄目って言っても、死ぬっていっても、それでも心配なんてしなくていい、そのまま突き上げてくれ。
だってほら、こうやって二人で為す術もなく揺すられてるのって、揺れながら吐き出して、怠く交わってるのって、すごく甘ったるくて幸せじゃないか。
この瞬間が至極、そんな風に思えるじゃないか。

ごぷり。
二人分の白濁で汚れたザーリーが、今またきっと汚れた。
……っと、汚れたんじゃないよな。
フランキーが俺の中で出して、結合部で泡だって、どうしようもない感じになったもんがワックスみたいになって、ザーリーの身体に艶を出してるんだ。
きっと、磨いたらつやつやのピカピカになるだろうさ、たっぷり過ぎるワックスで。
てらてらに、光るはずだ。

「ザーリーは船に乗せられねえから、実はここでお別れなんだが」

相変わらず持って回った言い方をするフランキーが、俺の耳に囁く。
俺はちょうど軽くイってるとこだったから、半分気をやりながら、それでも頷きながら聞く。
何躊躇ってんだよ、大人ぶってるんじゃねえよ。早く言えばいいのに。

「……もう一回、ワックス掛けて、磨かねえか? ザーリーダビットソンに敬意を表して」

うわぁ、こりゃあまた遠回り。ちょっとばかりオッサンくさいぜ、参ったね。
でも。
俺は「お前がそうしたいなら付き合ってやるよ」ってな風を装って、力なくがくがく頷いて見せた。
構わないぜ。
うん、むしろ望むところだ。
ザーリーがぴっかぴかのつやつやになるまで、ワックス垂らして、んでもって尻で磨き上げればいいよな。

だけどな、磨くだけじゃ駄目なんだぜ。
二人して乗っかって、イけるとこまでイっちまおう。

だって、なあわかるだろ。

バイクは、疾走するためにあるんだもんな。

END







チャットのお絵かきにailinさんが小説を付けてくださいました!!!
まさかの走行えっちにKOU=HUNするぜええええええええ!!!!!!
二人でいけるとこまで疾走してまええええ!!!いけええええ!!!結婚しろ!!笑